jinyux’s diary

IT業界初心者です。勉強したことをまとめています。

同期式順序回路その2 (有限状態機械)

組み合わせ回路は与えられた入力によって一意に出力が決まるので、回路の性質は真理値表を用いて記述される。しかし順序回路の出力は入力だけではなく、内部記憶の内容、つまり回路の状態にも依存するので真理値表だけでは記述することができない。順序回路の記述には有限状態機械とよばれるものを利用する。そもそも順序回路自体が有限状態機械とも言える。順序回路は状態の有限集合を保持し、回路の構成要素として次状態回路と出力回路を持つ。それを模式的に表したのが下掲の図である。

レジスタが現在の状態を保持しており、レジスタ出力が順序回路の入力とともに出力回路を経由して順序回路の出力となる。そして、同時にレジスタ出力が順序回路の入力とともに次状態回路に入力され、次の状態がレジスタに入る。そして、クロックエッジによってレジスタに記憶される状態が次状態に更新される。

有限状態機械(順序回路)についてわかりやすくするために、出力回路に入力されるのをレジスタ出力のみとする。このような有限状態機械をMoore方式と呼ぶ。上掲の回路のように出力回路がレジスタ出力と順序回路に基づくタイプをMealy方式と呼ぶ。この2つの状態機械は機能的には等しく、機械的に相互に変換することができる。Moore方式はMealy方式より速くできるが、Mealy方式は必要とする状態数が少ないのでより小型にできる。